対談企画の第二回は、プリモ・ジャパン株式会社 代表取締役社長 澤野社長です。
テーマは「指輪にまつわるエトセトラ」です。
それでは、よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
■結婚指輪が結婚式で果たす役割・重要性とは?

結婚式のセレモニーは形に残らないソフトを売っているのに対して、我々は形として残る、ひとつの「モノ(商品)」を提供しています。
我々の商品が唯一、仲が良くても喧嘩しても、ずっと傍にいて一生ついていく。指輪を贈る意味はそこにあるのではないかと考えています。
「指輪は見ているよ、2人のことをずっと」
この言葉は我々のセールストークとしても使われているのですが、だからこそ、「指輪を贈る意味がある」とお伝えしています。
私たちは結婚式でカタチに残るものは「写真とビデオ」だけだとつい思いがちでしたが、指輪もしっかり残りますね。
確かに、写真を財布等で持ち歩いている人もいると思いますが、指輪は基本的にお風呂に入るときも着けっぱなし。言わば、体の一部ですよね。
一生に一度のもので、2人がずっと同じものを着け続ける。そこに価値があるというか、意味があるのだと思います。
■婚約指輪(ダイヤモンド)のお話
ダイヤモンドはそもそも、地球上で最も硬い鉱物なんです。「世界一硬い=絆が固い(硬い)、ご縁が固い(硬い)」という解釈ができる。
「私はたった一人のパートナーを一生守っていくぞ、縁が固いぞ、絆が固いぞ」という意味を込めて婚約指輪をダイヤモンドとして贈るという文化ができたんです。
そうなんですね、いやー、勉強不足で知りませんでした。
そうなんです!
さらに言うと、人間の心臓に一番近い場所は左手の薬指であると言われており、そこに絆の固さの象徴を付けるのが婚約指輪の意味なんです。つまり、物としての性質、つける位置、に意味があるんです。
よく、薬指と心臓はつながっている、と言われますもんね。
そうした重要な意味があるにもかかわらず、現在婚約指輪を贈る割合は婚姻件数70万組に対して35万組、つまり50%しかない状況です。結婚する方の2人に1人しか買わないんです。
我々の使命は、婚約指輪の必要性、重要性、あるいはプロポーズの意義、みたいなものを世の中に知らしめて、婚約指輪を贈る比率を上げていくことであると考えています。
ややビジネス的な観点で言えば、そうして贈答率を高めていけば、たとえ人口が減ったとしても今の市場規模である2000億程度は維持することができると考えています。
挙式披露宴の市場が約2兆円と言われていますので、その中の10%を指輪業界が占めているんですね。非常に大きい規模ですね。
ギフト業界と指輪業界が大体同じくらいのマーケットで、ドレス業界がもう少し大きな規模ですね。そうした規模から考えると、一生に一度のブライダルというセレモニーに対して、ある程度のメッセージは投げかけることができるのではないか、と思っています。
指輪の交換はセレモニーの中でなくてはならないものですものね。
一昨日、弊社の社員の結婚式に参加したのですが、久しぶりに神前式だったんです。神前式でしたが、指輪の交換はしていました。そんなに違和感はなかったですね。人前、チャペル、神前という様々な形式はありますが、指輪の交換という行為は必ずセレモニーの中にありますから、挙式をされる方は、ほぼ100%指輪を購入されますね。
そういえば、今まで指輪の交換をしなかった挙式はなかったですね。先ほど婚約指輪の取得率が50%という話がありましたが、結婚指輪の取得率はもっと高いんですよね?
結婚指輪の取得率は、リクルート社の統計では9割程度と言われています。
挙式をしなくても指輪は持ちますもんね。
70万組の中の9割、つまり63万組は購入されていると思います。
結婚指輪については御社のシェアが1番なんですか?
弊社で算出してみたのですが、恐らくは1番であると思われます。
これからは婚約指輪に注力するお考えですか?
まずは結婚指輪です。1組でも多くの方に弊社の商品を付けて頂きたい。10年後には、「結婚指輪と言えばアイプリモ」、と言われるようなブランドにしていきたいと考えています。
自他ともに認められるシェアNO1になった時には、文化の継承という観点から、婚約指輪の購入率を高めたい。
業界のリーディングカンパニーとして、婚約指輪は必ず贈るもの、ダイヤモンドは必ず贈るもの、という文化を醸成したいですね。
そのためには弊社だけではなく、業界として婚約指輪をプロモーションするという視点も必要になると考えています。
具体的な活動として今行っていることはあるのですか?
宝飾業界の唯一と言っても良い団体である日本ジュエリー協会に2年前から加盟させて頂き、毎月私が会合に出席しています。
多くの方と会い、話すことで、今後のジュエリー業界を盛り上げていきたいと考えています。
業界としては話し合うのはいいことですね。プロデュース業も行うべきかもしれません。
今のように景気が悪くなると、「プロデュース業はいらない」って言われてしまうことになりかねません。
そんなことないと思いますよ。
結婚式・披露宴も一組一組に個性があって良いと思うので、プロデュースを活用すべきだと思います。
さらに言うと、一生に一度のセレモニーだから挙式も披露宴も必ず行う、大きく祝う、という文化も創りたいですよね。地味婚などではなく。
挙式を行わない、あるいは地味に行いたい、というお客様の中では「挙式、披露宴はお金がかかる」という先入観をお持ちの方もいらっしゃるのではないですか?

非常に多いですね。コンサルティングをさせて頂いているので表現が現実的になってしまいますが、お見積もりを出す際、我々はご祝儀の回収も含めていくらかかる、という提案を致します。
すると、皆さんから感動して頂けます。「あ、実際はこのようなものなのか」と。
ホテル・式場様ではそうしたところまで行うことは難しいと思いますので、そこにプロデュース会社の存在意義があるのではないかと思います。
プロデュースを含めた披露宴の流れは、当然かもしれませんが、会場の方々がイニシアチブを握りますよね。我々のような指輪屋は付帯業者の中の付帯業者、という位置づけになっている気がします。
当日のセレモニーに関係する業者、例えばドレスや引き出物、装飾、音響などは会場主導で関係ができあがっているのですが、指輪は蚊帳の外という感じで、一線を引かれてしまうんです。
我々としてはブライダル企業の一員のつもりなので、そうした状況は残念です。
セレモニーには必ず指輪交換があるので、私たちもお見積もりの中に、当初から必ず指輪の金額を含めてご説明するぐらいのことが必要そうですね。
繰り返しになりますが、ブライダル業界はそろそろ業界全体のことを考えるべき時期だと思うんです。少子高齢化のこの時代、婚姻組数が減少していくのはほぼ間違いない。
そのようなマクロ環境が見えている中で、現在のような過当競争が続くのは健全な状態とは言い切れません。
指輪業界もそうですが、当事者同士は一生懸命競争をしてしまいます。したがって、第三者的な、ニュートラルな立場の方々が一旦交通整理をして、業界にとってもお客様にとってもより良い環境を整えていきたいですね。
確かに、現在の状況が続くのは厳しいですね。
当事者同士だと当たり前の話かもしれませんが、必ず利害関係が絡んでしまうんですよね。
とは言え、一回利害を超えて業界全体で考えないと明るい将来は見えませんよね。
先日、地方のある都市に行ってきたんですが、その地域で年間披露宴開催数が1,300~1,500組。一般的には大きいとは言えない市場に、披露宴関係企業が6社もあるんです。乱立、と言っても過言ではない状況ですね。
すごいですね。
乱立であっても、そうした企業同士がより良いサービスを求めて競争をすれば良いのでしょうが、価格競争になってしまう場合もあるようです。そうした価格競争によってサービスの質が下がり、サービスの質が下がるから参加者の披露宴に対する印象が悪くなり、印象が悪くなるから披露宴を行わない人が増えてしまう、という悪循環を招きかねないと思うんです。
既に招いてしまっているのでしょうね、恐らく。だから半分しか結婚式を挙げないという文化、雰囲気が出来上がってしまったのだと思います。私たち業界人がもっと頑張っていれば、8割、9割の方々が結婚式を挙げている状況を作り出せていたかもしれません。
よりよいサービスを提供して、一生に一度のセレモニーが本当に良かった、とご本人もゲストも喜んでもらえる状況が作れれば良いですよね。最近の披露宴は内容が代わり映えしなくて、なんかつまらない。自分達は披露宴をするよりも別のことを考えよう、なんてことになったら困りますもんね。
恐らく、世の中の半分の方々はそう考えているんでしょうね。だから披露宴実施率が低くなっている。澤野社長がおっしゃるような、私たちも挙げてみたい、と思ってもらえるような式が増えていかないといけないですよね。私たちの影響力は微々たるものですが、プロデュースという、ニュートラルな立場を活かしながら貴社と一緒に業界を盛り上げて行きたいと思います。

